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執筆者の写真Tsuyoshi Namba

課題への対応は見える化から!ユニット経営のメリット

経営は日々、問題と直面している


事業運営、会社経営をしていくなかで、日々様々な問題が起きます。それは日常茶飯事といえるような些細なことから、事業はたまた経営の根幹をゆるがすようなことまで、ありとあらゆる事象が日々、次々と生じていることでしょう。

そして問題への対応として次のようなことをよく伺います。

  • 問題が生じているが、何が課題なのかわからない

  • 課題を解消したいが何から手をつけてよいのかわからない

  • 課題は認識しているが、今なんとかなっているのでまだ対応しなくても大丈夫



問題と向き合うための重要なポイント


そもそも問題を問題として認識できていないことは論外として、「問題」とはお題を問われているわけですから、社長の頭を悩ましているお題が何かを特定することが大切です。

つまり、適切な課題を設定することが求められるわけですが、そのためには現在の状態、状況を正しく把握、整理することが重要となります。

また、うまく課題を設定したとして、その対応方法が的外れでは状況をさらに悪化させることにもなりかねません。


的確な打ち手、対策の検討のためには、把握した現在の状態と課題を解消したであろう将来の状態とのギャップを把握、見積もることが大切です。

ここを適切に設定できれば、あとは行動あるのみということになっていきます。


一方、課題を認識しているが、なまじ日々の事業運営がなんとか回せている状況から、その課題を喫緊のものと感じておらず、対応を後回しにしてしまうケースが存在しますが、このようなケースが後々、大問題を引き起こすのです。

課題は課題を呼びます。最初はほんの些細なことと対応を後回しにしていざ着手しようとしときには既に手のつけようのない状況に陥っていた、ということは枚挙にいとまがありません。

課題を認識したその時こそ、手を打つ好機なのです。「今このとき」は二度と来ないのです。



課題へ対応は課題の見える化から


課題対応の事例としてオフィス用品の小売業を営むA社の例を紹介しましょう。A社は営業状況のタイムリーな把握とそれを実現するためのシステム活用に課題をかかえていました。

A社の受注に関する業務フローは次のような流れでした。

  • 得意先からの電話やメールでの発注情報を手書きメモに起票

  • 在庫品から引当、在庫がなければ仕入発注

  • 納品場所への配送指示

  • 締日ごとに集計し請求書発行

  • 入金確認

A社はこの一連の流れを受注時に作成する手書きメモを中心として行っていました。週次や月次での業績把握をするためにはそのメモを手作業で集計せねばならず、集計にはそのメモの在処を探るところから始めなければならない状況でした。


また、業務のシステム化を図ろうと販売管理ツールを導入されていましたが、案件の入力が網羅的になされていませんでした。導入した販売管理ツールには多くの機能が用意されていましたが従来のメモ中心の業務運用から脱却できでおらず、請求書発行の機能のみ利用している状況でした。


日々の業務に追われる中でどこから着手してよいか悩まれていたのですが、既存の販売プロセス内の各業務をユニット化して分類、分析し、各ユニットの業務を導入済の販売管理ツールを利用することを前提とした内容に再設計を行いました。

この一連の取り組みを通じてユニット内の未認識であった課題の抽出もなされたことから大きな成果が見込めると手応えを感じた社長は、自ら率先してこの取り組みを継続されています。



ユニット化のすすめ


問題解決に向けた取り組みは難易度が高く時間もかかるという先入観、意識から後回しにされがちですが、事業や業務、機能を「くくり」で把握(ユニット化)し、そのくくりを大きくしたり小さくしたり組み合わせたり分解・再構成したりすることで、いままで見えにくかったもの、見えていなかったものを見えるようにしていくことが可能となります。


ユニット化して把握することで次のようなことが主な効果として得られるでしょう。

  • 物事の構成要素を把握、理解することが用意になる

  • 問題、課題の本質に迫る手がかりを掴むことができるようになる

  • 課題への対応方法を具体的に検討できるようになる


あなたは自社の事業や業務、機能についてユニット化して把握できていますか?


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